30年の実績で築く信頼。あなたの歯を未来へ繋ぐ歯科治療。

歯の表面に付着する白くネバネバとした塊が歯垢です。これは単なる食べかすではなく細菌の塊であり、わずか1mgの歯垢の中には実に1億個以上もの細菌が存在するといわれています。

この歯垢の中の歯周病菌が歯ぐきに炎症を引き起こし、毒素を出しながら歯と歯ぐきの隙間（歯周ポケット）の奥深くへと侵入していきます。

歯垢はそのまま放置すると唾液中のミネラル成分と結びつき、石のように硬い「歯石」に変化します。歯石の表面はザラザラしているため、さらに歯垢が付着しやすくなり歯周病菌の温床となってしまいます。

歯石そのものが直接悪さをするわけではありませんが、歯周病を悪化させる大きな要因となるのです。一度付着してしまった歯石は、ご家庭での歯磨きで取り除くことはできません。

歯周病の恐ろしさは、歯を失うことだけにとどまりません。
近年の研究により歯周病菌が歯ぐきの血管から血液中に入り込み、全身の様々な臓器に運ばれて深刻な病気を引き起こしたり悪化させたりする原因となることが明らかになってきました。

お口の健康は、全身の健康と密接に繋がっているのです。

従来の歯周病治療は歯ぐきの上や歯周ポケットの中の歯石を、器具を使って物理的に取り除く「スケーリング・ルートプレーニング」が中心でした。もちろん、この処置は歯周病治療の基本であり非常に重要です。

しかし、歯周病が細菌による「感染症」である以上、原因となっている菌そのものを取り除かなければ根本的な解決には至りません。
いくら機械的に歯石を除去しても、お口の中に原因菌が残っていればまたすぐに再発してしまうからです。

そこで当院では、この「原因菌」に直接アプローチする「歯周内科治療」を積極的に取り入れています。
これはお薬の力を借りて、お口の中にいる悪い歯周病菌を徹底的に除菌しお口の環境そのものを改善していく治療法です。

歯ぐきを切開するような外科手術を極力避け、患者様のご負担を最小限に抑えながら高い治療効果を目指します。

歯周内科治療の第一歩は、敵である歯周病菌の種類と量を正確に把握することから始まります。
歯周病を引き起こす菌には様々な種類があり、菌の種類によって効果のあるお薬も異なります。
闇雲に治療を始めるのではなく、まず「どの菌が、どれくらいいるのか」を突き止めることが効果的な治療への鍵となります。

当院では「歯周病菌DNA検査（遺伝子検査）」を導入しています。これは患者様の歯周ポケットから採取した歯肉溝滲出液や唾液を専門の検査機関に送り、歯周病の原因となる代表的な悪玉菌のDNAを検出・定量する検査です。

検査は綿棒のようなものでお口の中をこするだけなので、痛みは全くありません。
この検査により目に見えない細菌の状態がはっきりとした数値で分かるため、科学的根拠に基づいた的確な治療計画を立てることが可能になります。

DNA検査の結果に基づき、最も効果的と判断される抗菌薬（抗生物質）を処方いたします。
指定された期間、このお薬をきちんと服用していただくことで歯周ポケットの奥深くに潜む歯周病菌を、内側から効果的に退治していきます。
同時に歯周病菌の温床となりやすいカビの一種（カンジダ菌）を除去するための、特殊な歯磨き剤を併用していただきます。

お口の中のカビ菌を除菌することで、歯周病菌が再繁殖しにくいクリーンな環境を整えることができます。この飲み薬と歯磨き剤の併用により、お口の中の悪玉菌を徹底的に減少させていきます。

お薬の服用によってお口の中の歯周病菌が十分に減少した、クリーンな状態で本格的な歯石除去（スケーリング・ルートプレーニング）を行います。

なぜ「除菌後」に歯石を取るのか、それには明確な理由があります。歯周病菌が多くいる状態で歯石除去を行うと、処置中に出血した歯ぐきの血管から大量の細菌が全身に流れ込んでしまう「菌血症」のリスクが高まります。先に除菌を行うことで、この菌血症のリスクを大幅に低減させより安全に治療を進めることができます。
また、お薬の効果で歯ぐきの炎症が治まっているため歯石除去の際の痛みや不快感を少なくできるという側面もあります。

超音波スケーラーや専用の手用器具を用いて、歯の表面や根の面にこびりついた歯石を一本一本丁寧に、徹底的に除去していきます。歯石を取り除き歯の根の表面を滑沢にすることで、歯垢が再付着しにくい環境を作り上げます。

歯周病によって一度溶かされてしまった歯槽骨や、下がってしまった歯ぐきは残念ながら歯周病の基本治療だけでは元に戻ることはありません。
歯を支える土台である骨が失われたままでは、歯の動揺が収まらなかったり将来的に歯が抜け落ちてしまうリスクが残ります。

そこで失われた歯周組織を、ご自身の治癒能力を活かして再生させる治療法が「歯周組織再生療法」です。当院ではこの再生療法においても、患者様へのご負担が少ない切らない治療法を第一に考えております。

CGF再生療法の主な特徴

・安全性が非常に高い

添加物を一切使用しない、100%ご自身の血液から作られるためアレルギーや感染症のリスクが極めて低い、非常に安全な治療法です。

・高い治癒促進効果

CGFに含まれる豊富な成長因子が細胞の増殖や血管の新生を強力に促し、骨や歯周組織の再生をスピードアップさせます。

・痛みの軽減と感染防止

CGFは手術後の傷口を保護する膜の役割も果たし、術後の痛みを和らげ感染を防止する効果も期待できます。

このCGFを骨が失われた部分に填入することで、失われた歯槽骨の再生を促し歯を支える土台を再建していきます。当院ではこのCGFと人工の骨補填材などを組み合わせることで、より効果的な組織再生を目指しています。

歯周内科治療や再生療法によって、歯ぐきの状態が劇的に改善したとしてもそれで終わりではありません。
歯周病は高血圧や糖尿病と同じ「生活習慣病」の一つであり、治療後も適切なケアを怠ればいつでも再発する可能性がある病気です。

治療によって取り戻した健康な状態を、いかに長く維持していくか。その鍵を握るのが、治療後の「定期的なメンテナンス」です。

当院では治療を終えられたすべての患者様に、3～4ヶ月に一度の定期メンテナンスをお受けいただくことを強くお勧めしております。